第19回シンガポール国際映画祭(2006年4月13日〜29日)
「NITABHO」公式招待 4月15日上映されました
今年で第19回目を迎える「シンガポール国際映画祭」が4月13日〜4月29日の期間、開催されました。同映画祭は、優れた映画や新しいタイプの映画を積極的に公開することから、世界の評論家から高く評価されている文化イベントです。45カ国の約300作品が上映され、シンガポールはもちろん、お隣マレーシアからも映画好きが集まってきます。
今年は特にアラブ映画が注目され、オープニング映画としてレバノン映画が上映されました。私たち日本人にとっては慣れないストーリー展開でも、そこに映し出される異国の風景・人間模様などを味わえるのが国際映画祭の醍醐味です。
「NITABOH」の公式上映は、4月15日土曜日午後から。シンガポールは、約24,000人もの日本人が暮らし、「東京24区」の異名を持っています。日本人が大勢来るのでは?と予想していたのですが、多くのシンガポーリアン、特に10代20代の若者が続々と会場へ。日本人とシンガポーリアンの比率はおよそ1:1、上映会場は今映画祭で一番大きな会場でしたが、500席が観衆でほぼ満席になる中、監督の舞台挨拶が始まりました。
「NITABOH」は、今、日本の若者の間で流行の、津軽三味線の叩き奏法を生み出した、仁太坊をテーマにした映画で、多くのハンデや、過酷な運命を乗り越えた彼の生き様が描かれていること、我々が30年教育に携わる中、今の日本の子どもが物質的にはとても恵まれているが、何か大切なものを忘れているのではないかとの思いがあること、アニメをとおして子どもたちに忘れている大事なことを伝えていきたいと考えていることが話されました。他にも、映画の見どころ(三味線演奏をアニメにするのに大変苦労したこと、CGが使われているシーンや、ワルシャワフィルで録音した音楽のこと)などが語られました。
シンガポーリアンは映画を観るとき、日本人以上によく笑い、よく感動します。仁太坊がユキに着物を脱がされるシーンや、留吉が仁太坊の鍋をのぞきこんで「うまそうなめしだな」というシーンでは大笑い。また仁太坊とユキの別れのシーンでは会場からすすり泣く声も聞こえました。最後の仁太坊と田原坊の三味線バトルのシーンでは、皆、圧巻の三味線演奏に心を奪われていました。
映画終了後、国籍問わず満足そうに会場を出て行く観客の表情を見て我々スタッフも一安心。シンガポールの若者からは「ナイスフィルム!」「インスパイアリング!」「ワンダフル!」との声が。日本人からは「最後の三味線で鳥肌が立った」などいろいろな感想をいただきました。ちょうど日本では桜の季節なので、長期在住の日本の方からは「桜がきれいだった」と懐かしむ感想も。また、青森出身の方は帰り際に「自分の過ごした青森の風景がそのまま描かれていました」と声をかけてくださいました。終了後は、監督にサインを求めるシンガポールの若者でいっぱいになり、自然に長蛇の列となりました。

津軽三味線という、100%日本をテーマにした作品ですが、人種や国境を越えて感動してもらったことに監督を含む我々も感動した映画祭でした。
シンガポール国際映画祭公式サイト
(英語版でのご紹介となります)