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NITABOHトップページ / メイキング / いよいよクライマックスダビング完成へ / ダビング
劇場用アニメーションのダビングは難しい。最も神経を使うのは映画館のどのスピーカーから音を出すかというところにある。
横長のスクリーン(ビスタサイズ)の左でしゃべるキャラクターは左から、右でしゃべるキャラクターは右からと、自然にセリフが聞こえるように調整しなければならない。ステレオ録音が一般化した今では、テレビ番組でもこのことは常識になっているが、劇場用アニメで、しかも津軽三味線がテーマの「NITABOH」ではよりリアリティある音響空間を作るため、スクリーンに左右中の3つ、客席後ろの左右2つ、そして劇場全体の音空間を作り出すサブウーハーの、全部で6つのスピーカーを利用して音の設計をする(これが5.1マルチチャンネルと呼ばれるものである)。
全ての音が、聞こえるべき最良の位置から聞こえるように計算されてはめ込まれていく。
音響監督の佐藤氏と、ミキサーの成田氏、そして西澤監督が中心となって、意見を交換しながら細かい作業が深夜まで続けられた。
たとえば、三味線合戦の演奏シーン。
はじめはスクリーンに大写しされる仁太郎の三味線の位置から出ていた音が、次第に観客を包み込むように聞こえてくる。これは客観的な音の描写から主観的な音に変わっていくという効果をねらう。観客はそれを意識しないが、ボクシングで言うボディブロウのように効いていく。それは音響によって無意識の感性を刺激する、劇場映画のおもしろさでもある。
ダビングによってデジタル編集された音響は、上映用フィルムのサウンドトラックに焼き込まれる直前のデータとして、コンピュータのハードディスクに保存される。
「NITABOH」の後半に登場する修行場面などでは、ワルシャワフィルで録った音楽も含め“セリフ”“音楽”“効果音”など、いろんな音が同時にミックスされている。
あまりのデータ量の大きさと重さに、ついにコンピュータがダウン。ハードディスクへのデータ転送が一時ストップするというアクシデントにもみまわれた。
さて、こういった音響を創りだす重要なスタッフに、効果音担当=SEがいる。今回「NITABOH」の効果音を一手に引き受ける森川さん。
“かざぐるまの音”“雪を踏む足音”“のぼりのはためき”など、目立たないけれど、映画のシーンに臨場感を与える効果音を作り、またダビングではミキサーを補佐して効果音のはめ込んでいく作業を行った。
イタコの口寄せのシーンで、不思議な雰囲気を創りだしていた“かざぐるま”。 その音は実際の場面を想定して、たくさんのかざぐるまをつくり 一斉にまわして録音した。
効果音は現実の音を録音すれば良いというだけのものではない。
よく例に出される“波の音”は本当の波の音を録音しても、映像と組み合わせた場合、「波の音」に聞こえてこない。
“小豆”や“ザル”といった小道具を利用して作られるのはよく知られた話だ。
それと同じように、「NITABOH」では“雪を踏みしめる足音”にカタクリ粉が使われた。布袋に入れて握ると「クキックキッ」という雪の場面の足音ができる。
しかし、津軽の乾いた雪と西日本のしめった雪では、踏みしめる雪の音も違うという。この作品では、津軽の人がその音を聞いたとき、思わず故郷の冬を思い出すような音が欲しい。そこで、カタクリ粉にいろいろなものを混ぜて音がつくられた。
 
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