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NITABOHトップページ / メイキング / 映像の編集・カッティング
今回「NITABOH」の制作現場からお届けするのは、8月2日,3日に行われた“編集・カッティング”の様子です。
“編集・カッティング”と聞くと、専門用語すぎて、何をするのか分からないと、一般にはそれほど興味をもたれない。
が、この部分は映画づくりの中で、最も大切といってもいいほど、監督以下、これにかける力はすごいものがある。ひとつひとつの絵をつなぎ合わせて、せりふに合うように組みたて、さらにストーリーどおりに構成していく作業なのである。
例えば、実写の映画の場合、多めに撮影した ビデオの映像を、監督の納得のいくように、切ったり、はりあわせていく。もともと「これでいこう」と撮った映像をストーリーに基づいてさし替えるなんてこともしょっちゅうだ。
だが、アニメの場合そうはいかない。
すでに絵が描かれていて、それがアニメとして動画になっている。口が動く時も、手が動く時も、細かくいくつかの絵に分かれていて、総枚数が決まっている。「ここで、もう少し伸ばしたい」と思っても、何より、“絵”という素材がない。ビデオのように多めに描いておくなんてことはできない。わずかに、静止画の時だけ、少し伸ばせるという、かなりきゅうくつな作業になる。
そういうわけで、イメージするシーンをつくるのに“伸ばす”より“切る”方が多くなり、アニメでは、この一連の作業を“編集”というより、主に“カッティング”と呼んでいる。
さて、8月2日と3日に行われたカッティングには、中心となる演出の下司さん、アニメ編集専門の重村さん、西澤監督、村上プロデューサーが参加。終日夜遅くまで作業が続けられた。
映画の本編90分として描かれた45,000枚の全ての絵を、せりふに合わせて編集、ひとつの映像作品として作り上げなければならない。かなりの集中力が必要だ。その上、今回は、キャラクタの統一性を重視したので、作画監督やアニメ監督、さらに色指定といった段階で、思ったより多くの修正が出ていて、全ての絵の撮影ができていない状態にあった。
この状況でカッティングを進めるのは、とても難しい。が、こんな時頼りになるのが下司さん。彼はこれまでに『サイボーグ009』(テレビ)や『ロードス島戦記』(映画)など、数多くの有名作品を手がけているベテランだから、絵に色がついてなくても、動きがなくても大丈夫。手際よく作業を進めていく。
この作業をするために、舞台裏でも涙ぐましい努力が続けられてきた。まだ線画の段階の絵や動かない絵を撮影して、とりあえずの素材として間に合わせる。
これを徹夜つづきで行ったメンバーがいる。

アニメ制作スタッフはもちろん、(株)ワオワールドのメンバーも総動員。
「この1ヶ月、男性も女性もなく、家に帰るのは着替えと入浴だけだったんですよ。大きな作品の舞台裏ってこんなもんですかね」と苦笑して語る村上プロデューサーだが、彼も当然その一員だった。
下司さんの采配と、多くの人の力が結集して、順調に進んだカッティングだが――。
絵の長さ(枚数)とせりふの長さが合わない。
場面は、仁太郎の良き理解者となる菊之助が、仁太郎の生き方に刺激をうけ、自分もまたアメリカへ勉強のために旅立つシーン。
菊之助は仁太郎に会わずに、手紙を託すのだが、手紙のせりふの方が絵よりも多い。2倍以上の長さになっている。どうも、監督からのせりふ変更が、アニメーション監督に伝わっていなかったらしい。ぜんぜん絵が足りない。
「ほんと、みんな え!って感じで困ってしまって、大変でした。どうしよう!って、ちょっと青くなってたんですが、監督が、“大丈夫だよ、せりふを変えよう。内容を変えないで、手紙文の長さを半分にできるよ”と落ちついた表情で言ってくれて――。ホッとしました」と、村上さんはその時の様子を語ってくれた。
もちろん逆もあった。せりふより絵の方が多くて、せりふが終っても、絵の口(くち)パク(口が動いている様子)が続いている。これは、動画を何枚かカットすることで対処した。
いくつかそういう場面をクリアしながら、45,000枚の絵が全てつながった。
『譲れないところは絶対に譲れない』気持ちの監督と、『素材を前にいかに最良の映像をつくりあげるか』と苦悩する下司さん。
2人の意向を確実に映像化していく(株)デジメーションの重村さん、そしてこの現場から発生する修正を各パートに伝えて調整する村上さん。
4人の思いと的確な判断で、2日目夜10:30。全てが無事終了。
缶詰め状態の2日間、首にタオルを巻いて頑張る下司さん、皆さん、お疲れさまでした。
 
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